ムクドリとヒトのいたちごっこの歴史は数十年に及び、これまでに様々な方法が試されてきました。いづれの方法も、ムクドリが嫌がる環境をつくって対策エリアからムクドリを追い出す方法です。
ねぐら樹木の枝葉を落として、ムクドリがとまる場所をなくす方法です。効果は大きく、即効性もありますが、街路樹が丸裸になると、街路樹として期待される機能(日陰をつくる、騒音を低減するなど)を発揮できなくなるほか、見た目も良くありません。
ねぐら樹木に防鳥ネットをかぶせてムクドリが木の内部に入れないようにする方法です。ネットをかけた木にはムクドリが止まらなくなりますが、広範囲の木に防鳥ネットを設置することは難しく、ネットをかけていない近くの木にとまるようになります。見た目も良くありません。
効果が大きいとされ、近年よく使われている方法です。音を発している間、ムクドリを追い払う効果があります。音が届く比較的広い範囲に効果を期待できます。しかし、ムクドリが慣れてしまう問題があるようで、スピーカーのすぐ近くでもねぐらをとっている様子を観察しました。
この方法も効果があるとされ、近年多くの自治体が導入しています。主に北米原産のモモアカノスリ(ハリスホーク)が活躍しています。追い払い後の数日間はムクドリの飛来数が減少することが知られています。タカが飛び回る比較的広い範囲に効果を期待できますが、長期間に渡って効果を持続させるためには定期的に追い払いを実施する必要があります。
一時的には効果がありますが、継続的な効果は期待できません。
街路樹に目玉模様の風船を設置する方法です。設置後の数日間のみ効果があったそうですが、すぐに慣れてしまったようです。
福井県などで使用例がありますが、ほとんど効果がなかったそうです。
最も最近開発された、LEDの強い光を照射して追い払う方法です。大きな音を使わず景観も損ないにくい方法ですが、効果がある範囲が狭く、光が当たらない別の木に移動してしまうようです。 パイフォトニクス株式会社で試行しておられる、光を使った追い払いは、現時点では最良の方法であるように思えます。追い払いの様子等は下記リンクからご覧になれます。 https://www.piphotonics.com/201124_01/