全国鳥類繁殖分布調査によって、都市部ではムクドリの個体数が増加していることがわかりました(バードリサーチニュース 2020年2月)。都市環境に適応したムクドリは、駅前など人通りの多いところにねぐらをつくるようになりました。ヒトが集まる場所はムクドリにとっても居心地が良いようです。一方、ヒトの側ではムクドリの大群が発する声や落とすフンを嫌って、ムクドリのねぐらをどこか他の場所に移動させようと様々な試みがなされてきました。しかし、あるねぐらからムクドリを一旦追い出すことには成功しても、ヒトの近くで安心してねぐらをとりたいムクドリたちはすぐに近くの別の場所に新しくねぐらを形成してしまいます。このとき、大抵の場合は移動先もまた多くのヒトが嫌がる場所であるために、ムクドリとヒトのいたちごっこは終わりが見えず、さながらむくどりごっことでもいう様相を呈しています。
人通りが多い場所にねぐらが形成されると多くのヒトが困ります。ヒトがあまり困らない場所にムクドリのねぐらを誘導することはできないでしょうか。そのためには、ムクドリがねぐらとして好む環境を詳しく知る必要があります。できるだけ多くのねぐら位置の情報と周辺の環境情報を解析することでねぐらが形成される条件を知り、ヒトとムクドリが互いに困らない妥協点を探ることができそうです。ねぐら調査プロジェクトは、そんなムクドリとヒトが共存しやすい対策を立てるための最初のステップです。 一緒に、ヒトの生活環境に寄り添う鳥との新しい共存策のために必要なデータをとりませんか?
まずはできるだけたくさんのねぐらの位置情報を集める必要があります。 ・ピンポイントのねぐら位置情報 ・ねぐらを確認した日時 ・ねぐらとしている場所の材質(ケヤキ、クスノキ、建物の壁面、電線など) 街路樹の種類がわからなければ、葉や幹、樹形などの写真 ・ねぐら樹木の写真(下写真例1) を記録してください。以下のフォームから記録をお送りください。お送りいただいた情報は、地図上に表示してホームページで見られるようにいたします。ケヤキなどの落葉樹にできたねぐらは冬になって落葉すると近くのビル壁に移るなど、ムクドリのねぐらは季節によっても移動します。新しいねぐらや季節変化を見つけられた場合もお知らせください!
動画の後半では、もう少し詳しい環境調査についても触れています。もう少し詳しい環境調査についてもご協力くださる方は、br[at]bird-research.jp までご連絡ください!
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