プロジェクト紹介

イワヒバリを探せ!!


調査対象種 イワヒバリ

種名 : イワヒバリ
学名
Prunella callaris
分類 : スズメ目イワヒバリ科
全長 : 18cm
外見
頭から胸にかけては灰黒色、側腹部は彩度の高い赤褐色。背面は黒色、灰色、褐色が混ざる羽が重なり斑模様。翼は黒褐色で、雨覆の先端に白斑があり、写真で確認すると翼に白い点線が確認できるが、遠いと見えない。上嘴のほぼすべてと下嘴の先端は黒く、下嘴の先端以外は淡黄色。寒冷な環境に適応してか、ずんぐりした体型をしている。


イワヒバリ

生態
 高山帯の岩場に生息し、まばらにハイマツ等の植物が生えている環境にも生息する。ほとんどハイマツにもとまらず地面の上で吹き上げられてきた小さな虫などを探して食べる。岩の上の水場などで数羽が入れ替わり水浴びをしている姿を目にすることもある。
 複数のオスと複数のメスがグループで繁殖し、オスもメスもさえずる。さえずりは4kHzを中心に2~6kHzと高い音から低い音まで幅広く使った声で鳴く。一音ずつの区切がカヤクグリやミソサザイよりもはっきり感じられる。

鳴き声 : ♪イワヒバリの鳴声を聞く MP3形式(録音者:高木憲太郎 2017年6月富士山)


間違いやすい鳥

ハイマツに生息する高山帯の鳥 カヤクグリ


種名 : カヤクグリ
学名
Prunella rubida
分類 : スズメ目イワヒバリ科
全長 : 14cm
外見
頭部は暗褐色、上面は赤褐色で、下面は灰褐色。嘴は黒い。全体的に茶色っぽいという点ではイワヒバリと同じだが、さらに色の濃淡がない地味な見た目をしている。体の大きさがイワヒバリよりひとまわり小さく華奢な印象。


カヤクグリ

生態
 ハイマツ帯に生息する高山の鳥。一妻多夫で繁殖する日本の固有種。カヤクグリはハイマツのまわりをウロチョロして、その上でさえずったり、ハイマツの根元に飛び込んだり。岩や開けた地面の上にいることが多いイワヒバリとの違いのひとつ。ハイマツがまばらに生えている環境では両種が同所的に生息しているので注意が必要。「チリリリ」 「チリリリ、チャリ」などと高い声(6kHzほど)で鈴が鳴るように鳴く。

鳴き声 : ♪カヤクグリの鳴声を聞く MP3形式(録音者:堀田昌伸 2010年5月乗鞍岳)


沢沿いなどの岩場で尾をあげて鳴き続けるミソサザイ


山の中腹の沢沿いの岩場などに生息するミソサザイも外見が茶色っぽいという点でイワヒバリやカヤクグリに似ている<ミソサザイの写真はこちら>。亜高山帯より下に生息するが、岩の上などにとまってさえずることが多く、その姿を見ると「岩」ヒバリ!と思ってしまうかも。
 ただ、この鳥はよく鳴く鳥で、歌の長さが明らかに長く、変化にとんだ音を区切れなくつなげて一息に歌う。音の高さは4~8kHzとイワヒバリよりも少し高い音を使うが、音の高さより歌の長さの方が区別しやすい。尾羽を上にあげてさえずっている姿勢もこの鳥の特徴。

鳴き声 : ♪ミソサザイの鳴声を聞く MP3形式(録音者:植田睦之 2009年6月佐渡島)



高山の鳥たちの写真や鳴き声はこちら。