プロジェクト紹介

ヒドリガモの幼鳥率調査(2018年調査 参加募集中)


調査の概要

 カモ類では野外観察で成鳥と幼鳥(春に生まれた0歳の個体)を見分けることが難しいのですが、ヒドリガモのオスは比較的容易にそれを見分けることができます。幼鳥の割合が分かれば、年による繁殖成績や、個体数変化の方向性を知る手がかりになります。ヒドリガモの幼鳥は、秋に飛来したときはメスに似た羽色をしています。そして真冬になる頃にはオス成鳥に近い羽色に生え替わりますが、雨覆の色の違いで成鳥と幼鳥を見分けることができます。

調査期間

2018年1月1日~3月31日
季節変化も調べたいので、もし可能であれば、調査期間中に同じ場所で複数回の調査をしてください。ヒドリガモの多い公園などを、異なる調査日で、たくさんの方に調査していただけるのもありがたいです。西日本では1月ではまだ幼鳥から成鳥の羽色への換羽が進んでいない可能性があります。換羽状況にも気づかれたら、お教えください。

報告方法

ヒドリガモのオスが20羽以上いる場所(一カ所が20羽未満でも近隣の水域合計で20羽を超えれば調査地になります)で成鳥と幼鳥を数え、結果をこちらのExcelファイルに記入して、 へメールして下さい。調査の注意を説明していますので、成鳥と幼鳥の識別方法のページをお読みください。


ヒドリガモを観察できる場所

 2017年1月に実施された環境省のガンカモ類の生息調査(ガンカモ一斉調査)で、ヒドリガモが30羽以上観察された地点を地図に表示しました。赤丸は公園や池など、近くで観察できそうな場所です。実際に近づきやすい場所かどうかは、地図をズームアップしてご確認ください。
ヒドリガモマップを表示する。


2017年調査の結果

 青草を食べるヒドリガモは西日本、特に九州で数が多いので、幼鳥は餌条件がよい西に多くなるかと予想していましたが、2017年の調査では地域による幼鳥率の違いはありませんでした。幼鳥率は15~25%程度でした。海外ではイギリスで長年ヒドリガモの幼鳥率が調べられていますが、毎年30%前後という数字になっていおり、2017年調査の幼鳥率はそれより低めになっています。日本はヒドリガモ越冬地の北限で、南は中国南部から東南アジアまで越冬していますから、もしかすると幼鳥はさらに南に渡っていくのかもしれませが、西日本や九州では幼鳥の換羽が遅いためにオス幼鳥とメスの区別が難しく、実際よりも幼鳥率が低くなった可能性もあります。
 詳細は、バードリサーチニュース2017年5月: 3「ヒドリガモの幼鳥率調査2017年1-3月 結果報告」をご覧ください。

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