プロジェクト紹介

ミヤマガラス分布調査


ミヤマガラスとは?


Photo by Mikio Mutoh 


分類 : スズメ目カラス科
体長 : 44~47cm
体重 : 280~340g
形態 : 
成鳥は全体が黒く、雌雄同色。嘴は黒くて湾曲が少なく毛筆やニンジンなどに例えられる形状で、基部が白い。若鳥はこの白い部分が黒い羽毛で覆われていて、ハシボソガラスとの識別が難しい。体サイズは、ハシボソガラスよりひと回り小さい。

生活史
ヨーロッパから中国にかけてユーラシア大陸の中緯度地方に広く分布し、繁殖期は3~6月,樹上に椀状の巣を作り、複数のペアが集まって繁殖する。一腹卵数は3~5個。
日本には10月から3月頃に冬鳥として渡来する。農耕地など開けた場所で地上に下りて昆虫や落ち穂などを群れで採食する。


ナベヅル・マナヅル分散の先遣隊?


 もしも、ミヤマガラスが西から広がってきたとすると・・・ナベヅルとマナヅルの保全に今回のアンケート調査の結果が役に立つかもしれません。  ミヤマガラスはナベヅルやマナヅルと同じように水田を利用し、落ち穂を食べるなど越冬条件が類似しています。これらのツル類の越冬地は現在、手厚く保護されてきていた出水周辺に一極集中してしまっていて、伝染病などによる大量死の危険が指摘されています。渡来地が拡大しているミヤマガラスの分布を調べることで、これらのツル類の越冬可能地が見つかるかもしれません。


将来の農業被害問題に備える


 環境省自然環境局統計「平成12年度鳥獣関係統計」によると、狩猟によるカラス類の捕獲数はハシブトガラス48,619羽、ハシボソガラス32,034羽、ミヤマガラス3,109羽、また、カラス類の有害鳥獣駆除数はハシブトガラス2,925羽、ハシボソガラス1,263羽、カラス類314,311羽となっていて、ハシブトガラス以外のカラス類による被害も少なからず見られます。
 東京都のカラス問題のように、ミヤマガラスの分布の拡大が人間活動との間に軋轢を生む可能性は否定できません。その時、生息状況や生態に関する基礎情報を把握できていると、適切な対応を素早く取ることができます。


近年のミヤマガラスの記録に関するホームページ


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