プロジェクト紹介

メジロとランチ♪プロジェクト


一緒に調査を実施している大阪市立大学の堀江明香さんからレポートが届きました。


調査結果


 メジロのさえずり調査、「メジロとランチ♪」プロジェクトにご参加、ご協力、ありがとうございました。この調査の目的は、異なる地域に棲むメジロたちの生活の違いを探ることです。繁殖期、特に卵を生む前や抱卵期には、メジロたちは朝夕だけでなく、お昼にも活発にさえずりを行うので、ランチタイムにメジロのさえずり状況をご報告頂くことで、大体の繁殖期をみなさまと一緒に探っていけたらと思っています。今回、調査に参加してくださったのは12名、データは合計115件でした。まだまだ解析に足るほど多い数ではありませんが、みなさまからの貴重なデータで見えてきたことをご報告させて頂きます。


メジロはいつさえずる??-ランチのデータ


 今回はデータが少なかったので、お送り頂いたデータを北海道・関東・近畿・中国、と地方ごとに分けました。その上で頂いたさえずり状況を点数化して(なし:0、短時間:1、何回も:2、ずっと:3)、同じ地方ごとに毎月平均し、季節の進行との関係を図示してみました。図の下に示した表は地方ごとに集まったデータの数です。 表に示したように、1例や2例のデータしかない月や地方もありますので、あまり強くは言えないのですが、近畿のデータは右下がりになっており、3月に活発にさえずっていました。関東地方は2-3月に活発にさえずるようですが基本的に横ばいでした。中国地方は早い時期のデータがありませんが、4月のさえずり頻度は高く、3月ごろから活発にさえずっていることが予想されます。北海道は4月末ごろに渡来するメジロたちですが、5月でまださえずり頻度が低く、6月に上がっているように見えます。
 本州でのメジロの産卵時期は5-6月と言われており、近畿圏での繁殖期も5-7月くらいではないかと推定されています。しかし、今回のデータをみると、関東でも2-3月、関西でも3月ごろから活発にさえずっており、もっと早く繁殖を始めているのかもしれません。また、思ったより地域の違いが小さく(北海道を除いて)、気候条件の大きく異なる地域間でも意外とさえずり時期は違わないのかもしれません。今後のデータが楽しみです!


メジロはいつさえずる??-初鳴きデータ


 季節前線ウォッチにもメジロの初鳴きの報告をいただきました。情報収集を始めた時期が少し遅かったため、おそらく九州や沖縄では初鳴きは終了してしまっていたと思います。それでも、やはり各地で3月ごろの報告が多い、意外と関東でのさえずり報告が早かった、といった収穫がありました。来年も引き続き情報をお寄せ頂きますようお願い致します!


来年の調査に向けて


 今年は周知が遅かったこと、メジロのさえずりの判別が少々上級者向けだったこともあったようで、参加して下さった方はそれほど多くありませんでした。来年に向けての改善点として、「難しかったこと」、「続ける上でここが面倒くさい」、「こうした方がいい」といったご意見があれば、ぜひお教え下さい!改善していきたいと思います。また、調査の呼びかけをさらに広く行うと共に、来年の調査期間中は各地域でのさえずり状況(例:関西ではいま三分鳴き)を随時アップできるようにしたいです。

今後とも、ご参加、ご協力をよろしくお願い致します!


大阪市立大学 堀江明香