プロジェクト紹介

メジロとランチ♪プロジェクト

メジロのさえずり時期を一緒に調べてみましょう


 メジロ科の鳥はもともと熱帯起源の鳥で,日本では南に多い鳥ですが,北へと分布を拡大し,市街地でも見られるようになり,最も身近な鳥のひとつになっています。とはいえ,その生態はよくわかっていません。
 鳥たちの生活はたとえ同じ種でも,それぞれの生息環境によって少しずつ異なります。たとえば寒い北の地域では繁殖できる時期が短い反面,春~初夏に昆虫が大量に発生するので,一度にたくさんの卵を産んで一気に子供を育て上げることができます。一方,繁殖できる期間が長い南の地域では一度に産む卵を少なくして何回かに分けて子育てすることで,エサ運びの負担やヒナが捕食された時のリスクを分散させることができます。
 大阪市大の堀江さんの調査では,沖縄県大東島のダイトウメジロは2-3月が繁殖のピークですが,北海道札幌のメジロたちは4月にならないと繁殖地にやってきません。そして大東島のメジロは一腹卵数が平均2.7卵個と少なめで、最大4回繁殖しますが、札幌のメジロは平均4.5卵、繁殖回数はおそらく1-2回です。では,ほかの地域はどうなのでしょうか?堀江さんとの共同研究として,全国のメジロの繁殖状況を明らかにしたいと思います。


仲の良いメジロの夫婦(撮影:渡辺美郎)
仲の良いメジロの夫婦(撮影:渡辺美郎)

 とは言え,ひっそりと繁殖している鳥の実際の繁殖を観察するのは簡単でありません。そこで,さえずりを繁殖期の指標として,いつからさえずりがはじまるのか,そしていつまで聞かれるのかを調べ,繁殖時期が日本各地でどう違うのか探ってみたいと思います。



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