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レーダーでカワウの動きを捉える?!

 5年ぐらい前になるかもしれませんが,7月に東京湾で採食するカワウの群れを望遠鏡で追いかけたことがあります.しかし,しばらく追跡していると湯けむりのかなたに群影が消えて行ってしまい見失ってしまいました.その後も,どこまで採食に行っていたのかと,ずっと,心の片隅で気になっていました.
 バードリサーチでは船舶用のレーダーを使って鳥の観測を行っています.少し前から,このレーダーを使ったら広い開水面で採食するカワウの動きを追えるのではないかと考えていました.この夏にチャレンジする機会がありましたので,その予備調査の結果をご報告したいと思います.

海上を飛ぶカワウ.


三番瀬での試験的調査

 調査方法は,行徳のコロニーに近い三番瀬の海岸で群れで採食しながら移動するカワウを望遠鏡で観察しつつ,レーダーでどんなふうに見えるかを確認するというものです.主な確認項目は,カワウを追跡できるかどうか,追跡できるならばその距離を知ることです.

調査結果 <レーダー画面の動画が見られます>

 調査を行った三番瀬の海はたくさんの竿が立っていて,それがレーダーに映ってしまい,とても邪魔でした.しかし,編隊で次から次へとコロニーから海へと出てくる様子を捉えることができ,目視では難しい平面的な飛翔ルートを正確に記録することができることがわかりました.今回追跡できた距離は2.5?で,その先で採食しながら低く飛翔する動きはうまく捉えることができませんでした.しかし,1.5〜2kmの距離で採食していたコアジサシとウミネコの群れは,もやのように画面に映ることが確認できたので,次は,カワウが採食時に低く飛ぶのを捉える工夫ができないか調査したいと思います.

行徳鳥獣保護区のコロニーから三番瀬の海へ次から次へと飛んできて,いったん沖へ出た後曲がってコロニーよりも東の海岸近くに着水して採食したカワウをレーダーで追跡した画面.同心円の中心が調査地点で,ひとつの円がそこから500mの位置を示す.海上の鳥と船以外のものは,主に竿.


動画のダウンロードはこちらから。
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