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季節前線ウォッチ−鳥の初認と初鳴き調査−
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季節前線2006

 ツグミの初認の情報も一段落し,今年の季節前線ウォッチもほぼ終了です。以下の地図をご覧になって,抜けていることなどでご存知の情報がありましたら,ぜひご連絡ください。
 この結果には,Webデータベース「フィールドノート」に寄せられた情報も利用しています。「フィールドノート」は,マイクロソフトNPO支援プログラムの助成を受けて開発しました。

ツグミ

 11月も下旬になり,全国的にツグミが見られるようになりました。九州にはポイントが落ちていませんが,中旬から下旬にかけて見られるようになっているそうです。ジョウビタキは全国的に見ると九州は早い時期に記録されるのですが,ツグミでは逆に遅くなってから見られるようになりました。もしかするとジョウビタキは朝鮮半島からの渡りがあり,ツグミは朝鮮半島経由で入ってこないので遅いなど,渡りの経路に違いがあるのかもしれません。まだ見られていないところもあると思いますので,ご覧になりましたら情報をお寄せください。



ジョウビタキ

 バードリサーチ事務所のまわりでもジョウビタキが見られるようになりました。今年の飛来のピークは10月下旬のようで,昨年と大きな差はないようです。ミヤマガラスの初認調査でも同様の傾向が見られています。飛来してくる大陸の気象条件はわからないので,試みに北海道や北東北の気温をみてみると,ちょうど20日過ぎに気温が急に低くなっていました。もしかするとこういう気温の低下が飛来の引き金になっているのかもしれませんね。
 日本国内の飛来状況を見ると,日本海側や関東北部とともに,九州の飛来が早いのが目に付きます。九州には朝鮮半島経由など,本州とは別のルートで入ってきているのでしょうか?





10月の北海道および北東北の温度の変化


モズ

 全国から情報が届いています。九州の記録がやや早く,つづいて関東周辺,標高の高い地域や中国四国地方や東北地方は,やや遅いように見えます。ただ,関東地方は情報提供者も多いので,情報がやや早いのは,観察人数が多い影響かもしれません。もし高鳴き情報をお持ちの方は,ぜひ情報をお寄せください。



ホトトギス

 最初にホトトギスの飛来が記録された熊本での記録は他地域と比べてやや早かったのですが,その後は東北までほぼ同時期に記録されました。このように全国一度に飛来する状況はカッコウと通じるところがありました。毛虫類を食べるカッコウ類の特性なのか,飛来時期の遅い夏鳥の特性なのか,よい対象種がいれば,そのあたりを来年の季節前線ウォッチで考えたいと思います。また,全国的に飛来が早いという感想をもたれる方が多いようです。みなさんはいかがでしょうか?



カッコウ

 石川が 5月5日,栃木が 5月8日とやや早かったですが,それ以外の地域にもその後10日くらいのうちに,飛来が確認されました。昨年もカッコウは全国にほぼ同時に飛来し,徐々に全国に広がっていくツバメやヒバリとは異なっていました。この傾向は昨年も同様でした。



アオバズク

 熊本の岡本さんと石川の今森さんよりアオバズクの情報をいただきました。夜行性の鳥だけに,昨年はあまり情報が集まらず,状況が良くわかりませんでした。アオバズクの声を聞かれた方は,ぜひ情報をお寄せください。




ツバメ

 3月下旬より,九州以外の地域でもツバメが見られるようになりました。昨年は4月上旬が飛来のピークでしたが,今年は3月下旬の記録も目に付き,やや早いようです。現在東北地方でもみられるようになっています。標高の高い地方や北海道もこれから見られるようになるのではないかと思いますので,情報をお寄せください。





 地域的な初認の状況を下に示しました。これは植田の調査地の東京都中西部の住宅地での初認状況です。昨年の調査でも同様の状況だったのですが,川の周辺の巣は定着が早く,川から離れた場所は定着が遅い傾向がありました。川から離れた場所でも早く定着する場所があり,それらの場所は昨年も早く定着していました。川以外に,何か重要な条件がありそうなのですが,現時点では良くわかりません。いろいろ考えて,明らかにしたいと思っています。
 


ウグイス

 今年の初鳴きの最初の報告は熊本県よりいただきました。つづいて関東や関西でも初鳴きが記録され、4月下旬には北海道でも聞かれるようになっています。昨年の調査でも、九州が早く、太平洋側が続き、日本海側、北海道へと広がっていきました。今年も同様の傾向にあるように見えます。




ヒバリ

 4月に入り,北海道でもヒバリのさせずりが聞かれるようになりました。さえずりをお聞きになった人は、ぜひ情報お寄せください。



背景地図はESRIジャパン社の Geography Networkwork で
提供されている国土地理院の50mメッシュ標高および
数値地図25000(空間データ基盤)を使用しています

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