カワウの標識調査によって解明できること、できないこと

福田道雄 (カワウ標識調査グループ)

1.カワウの標識調査(カラーマーキング)とは
1)足環
 メタル
 カラーリング(以下、リングを略す)
   記号付きプラスティックプレートリング
   ビニールパイプリング(コイルリング)
2)その他−染色、貼り付けタッグ(発信器)
 
2.より効率的な調査のための条件
1)カワウが広範囲に移動するため、リングの一定のルールが必要
 混同を避けるための地域別色分け
 
2)正確な放鳥情報の提供と確認記録の収集
 
3.観察記録の評価
1)放鳥後の期間、放鳥場所との関係
 その時、その場所にいたのみ
 「空白期間の所在が不明」であることや、「放鳥地からの経路が不明」である.
 
4.調査の実態
1)リングの制約
 色(記号色との関係)、大きさ(約30mmまで)、記号(最大3文字、読み違い防止)
 
2)確認場所(鳥を見る場所)が限定されている
 回収データとの比較
3)確認・連絡への関心の低下
 
5.リング個体で調査・研究も可能
1)識別個体を手がかりにしたコロニー・塒利用調査、行動調査
  位置取り、利用パターン、帰還時間の変化など
2)繁殖成績
  抱卵、孵化、巣立ち数の確認
  造巣行動からの性判定
 
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